2012年10月19日(金)[朝日新聞] 福井の湖 考古学の標準時に 地層の炭素測定 5万年前まで 誤差170年
放射性炭素年代の較正値データは少しずつ過去の方に伸びているが、英ニューカッスル大の中川毅教授(古気候学)ら日英の研究グループは福井県若桜町の水月湖湖底で採取した堆積層の年縞から過去5万年まで遡る補正グラフを明らかにした。19日付の米科学誌「サイエンス」に発表した。
水月湖の湖底では、これまで厚さ1ミリ以下の規則正しい年稿の見られることで第四紀学者に注目されており、今回発表の成果では、堆積層に含まれる木の葉やプランクトンなどの有機物の放射性炭素年代を測定し、5万年前までの放射性炭素年代測定値を最小で±170年の誤差で補正できるという。