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2012年9月25日(火)[日経新聞朝刊]ヒトの脳の成長 胎児段階で加速 チ ンパンジーと比較 京大霊長研、滋賀県立大学の研究グループが解明

 酒井朋子 霊長類研究所研究員、平田聡 同特定准教授、竹下秀子 滋賀県立大学教授らの研究グループは、株式会社林原類人猿研究センター(岡山県玉野市)との共同研究により、ヒトの脳はチンパンジーと比べ、胎児の段階において成長速度の差が生じることを突きとめた。現生人類の脳の大きさはチンパンジーの約3倍もあるが、どの段階で差が開き始めるのか分かっていなかった。米科学誌『カレント・バイオロジー』に掲載される。

 研究グループは、超音波診断装置を使ってチンプの子宮内の胎児を観察。頭の大きさから脳サイズを推定した。それによって、妊娠17~22週までは現代人と同じように脳が成長していくが、それ以降は鈍化した。一方、ヒトの場合、20週前後から神経回路の形成などが始まり、高い成長速度を維持した。

 ヒトとチンパンジーの妊娠期間はほぼ同じため、この時から開いた脳の成長差のため、出産時ではヒトが約400ミリリットル、チンプは約150ミリリットルと大きな違いとなる、という。

参考リンク:京都大学ページ