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2012年9月3日(月)[朝日新聞朝刊]髪は茶色? デニソワ人

2012年9月3日(月)[朝日新聞朝刊]髪は茶色? デニソワ人

2012年8月31日(金)[時事通信]DNAを高精度で再解読=ロシア「デニソワ人」-国際チーム

 シベリア南部アルタイ山脈のデニソワ洞窟で08年に見つかり、5万~3万年前と推定された「デニソワ人」の小指の骨について、ドイツ・マックスプランク進化人類学研究所などの国際研究チームが改めて細胞核DNAを抽出に成功し、その成果を8月30日付の米科学誌「サイエンス」電子版で発表した。

 デニソワ人からは既にミトコンドリアDNAが抽出され、ネアンデルタール人に近い関係にあったことなどが示されていたが、今回は核DNAの高精度の分析に成功し、それを世界11カ所の現代人と比較したことで、さらにこの人類の素性が明らかになった。

 小指の骨は少女のものと思われるが、それによるとデニソワ人は現代のパプアニューギニア人と共通する遺伝子を多く持ち、肌は黒く、目と髪は茶色だったようだという。パプアニューギニア人との近縁性は、2年前に発表されたミトコンドリアDNAの解読成果とも一致する。

 また今回の分析で、現生人類ホモ・サピエンスとはデニソワ人の共通祖先と約80万年前に分岐したようで、その後に現生人類の祖先に、言語に関わるFOXP2遺伝子など脳や神経系、言語機能に関係する遺伝子が変異したことが新たに分かった。