2012年2月25日(土)[朝日新聞朝刊]男は絶滅……いえ不滅です Y染色体消滅説を否定 米研究チーム発表
男性の持つY染色体がどんどん小さくなり、いずれ消滅するのではないかといわれてきたが、縮小は止まっていることが分かった、とアメリカの研究チームが英科学誌『ネイチャー』2月23日号に発表した。
現在のY染色体はX染色体よりかなり短くなっており、これは人類出現以前を含む過去3億年の間でY染色体から数百の遺伝子が失われてきたから、と考えられていた。Y染色体が1本しかないため突然変異に弱く、いずれY染色体はなくなってしまうのでは、との説も広がっていた。
米ホワイトヘッド研究所などのチームは、ヒトと2500万年前に分岐したアカゲザルのY染色体の解析などから、Y染色体の変化を過去に遡って追跡し、オスを決める遺伝子を含む部分は、今から2億5000万年前頃には変化が止まったと考えるのが最適だと結論付けた。
チームの1人は、かなり昔にY染色体は急速に遺伝子を失ったのは確かだが、もうそれは止まっている、と語っている。