2011年11月25日(金)[朝日新聞朝刊] 4万年前から、一本釣り? 東ティモール最古の釣り針
現生人類ホモ・サピエンスは、オーストラリアに遅くとも4.5万年前には渡洋していたが、その頃に高度な漁労も行っていたらしい。オーストラリア国立大と東海大などの研究グループによる東ティモールの遺跡調査から判明した。米科学誌『サイエンス』11月25日号に報告された。
チームは、東ティモール、ジェリマライ岩陰で4.2万年前頃のマグロなど外洋魚の骨のほか、1万数千年以上前のものとみられる貝製の釣り針も見つけた。
マグロなど外洋を回遊する大型魚は、優れた計画性と漁労技術がいる。ジェリマライ岩陰の証拠は、当時の東南アジア居住民が漁労という生計技術を確立していたことを物語る。
また上層から見つかった逆刺のある貝製の釣り針は、縄文時代草創期にもないもので、世界最古と見られる。