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2011年8月11日(木) ヒト同様にチンパンジーも前頭前野の発達は緩やか 高度な社会性の前提に

 ヒトの発達した認知機能の基礎は、前頭前野皮質が大きく拡大したことだが、この前頭前野は大脳の中で最も緩やかに発達する脳領域の1つだ。こうした特徴 は、これまでヒトに特有と考えられてきたが、酒井朋子氏ら京大研究グループは3個体の子どもチンパンジーを対象に磁気共鳴画像法で調べた結果、チンパン ジーでも前頭前野の発達期間の延長の見られることが分かった。米科学誌「カレント・バイオロジー」8月23日号に発表された。
 この成果によりチンパンジーも、経験を蓄えて高度な社会性と様々な知識、技術を発達させる機会のある可能性が高いことが推定され、また前頭前野のゆっくりした発達は、ヒトとチンパンジーの共通祖先の頃から存在することも示唆されたという。