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2011年2月11日(金)[日経新聞朝刊] 320万年前の人類も土踏まず 二足歩行裏付け 米大、アファール猿人分析

 最 近、ハダールで発見された約320万年前のアウストラロピテクス・アファレンシス(アファール猿人)の中足骨化石の分析から、アファール猿人も直立二足歩 行に適応していたことが示唆された。米科学誌「サイエンス」の2月11日号で、シカゴ大学のキャロル・ワードらが報告した。ハダールのパイオニアである ジョハンソンも名を連ねている。
 これまでアファール猿人が直立二足歩行をしていたことは分かっていたが、「どの程度」かについては論議があっ た。今回見つかったほぼ完全な左足第4中足骨をチンプ、ゴリラ、ヒトの骨と比較したところ、「土踏まず」に相当するアーチが形成され、物を把握する能力を 失っていたことが示唆された。骨の先端が地面に平らに着くようねじれ、骨が地面に対して傾きを持つなど、アーチを持つヒトと同じ特徴が見られた。
 報告に対して諏訪元・東大教授は、「足の他の骨の分析からアーチがあると判断した研究はこれまでにもあるが、今回のように甲の部分の保存状態がいいものはめったにない。完全な素晴らしい骨で、二足歩行に特化していたとの説を支持するものだ」とのコメントを寄せている。