九州大学比較社会文化研究院 シンポジウム アイヌ遺骨・副葬品のゆくえ
九州大学比較社会文化研究院 シンポジウム
*アイヌ遺骨・副葬品のゆくえ――返還をめぐる科学・文化復興・尊厳の言説*
【2月11日、2018、開場13:00-閉場18:00、JR博多City 9F 会議室2】
20世紀初頭から先住民の遺骨や副葬品を収集し、研究対象としてきた考古学、自然人類学、文化人類学は、1980年代以降、先住民からそれらを「本来あるべき場所」に返還するように求められてきた。日本でも1200体を超えるアイヌ民族の遺骨が研究材料として大学に保管されており、それらの返還と適切な埋葬を求める活動は社会的にも注目をあびるようになった(北大開示文書研究会[編]『アイヌの遺骨はコタンの土へ――北大に対する遺骨返還請求と先住権』2016年、緑風出版)。
本シンポジウムは、考古学、自然人類学、文化人類学のそれぞれの見解と先住民の見解とを対話関係に置き、返還について考えるとき不可欠な尊厳をめぐる言説の重要性を浮上させ、アイヌ遺骨返還を国民的課題として取り上げることを目標にする。
これまでの研究がアイヌ文化復興に寄与するという見解により見えなくなっているアイヌ民族の声を聞き取り、アイヌ遺骨・副葬品の新たな目的地を提唱したい。
司会 太田好信(九州大学・文化人類学)
太田好信(九州大学大学院・比較社会文化研究院)13:30—13:40
問題提起:「収集された遺骨、副葬品のゆくえ」
五十嵐由里子(日本大学 松戸歯学部) 13:40-14:00
「アイヌのご遺骨についてひとりの自然人類学者が考えること」
加藤博文(北海道大学 アイヌ・先住民研究センター)14:00-14:20
「発掘・返還・再埋葬:アイヌ遺骨問題に考古学はどのように関わるべきか」
小田博志(北海道大学文学研究科)14:20-14:40
「誰が返還するのか?/誰が帰還するのか?」
-休憩 14:40-15:00-
差間正樹(浦幌アイヌ協会会長)15:00-15:20
「遺骨返還と先住権の回復」
石原イツ子 (サッポロ堂書店)15:20-15:40
「人間とは何か」をアイヌから問う
ディスカッサント(コメント)
關雄二(国立民族学博物館・考古学) 15:40-15:55
瀬口典子(九州大学・自然人類学) 15:55-16:10
- 休憩 16:10-16:25-
オープン・ディスカッション 16:25-17:45
17:45 閉会