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2012年6月29日(金)[日経新聞朝刊 他]世界最古の土器

2012年6月29日(金)[日経新聞朝刊]世界最古の土器片 2万年前 料理した?焦げ跡 中国・洞窟遺跡

2012年6月29日(金)[朝日新聞夕刊]2万年前 最古の土器 中国で発見 料理に使った跡?

 世界最古となる約2万年前の土器片を、中国・江西省の仙人洞遺跡で発見した、と北京大やアメリカなどの研究チームが6月29日付のアメリカ科学誌『サイエンス』に発表した。これまで日本を含む東アジア各地で見つかっていた、最古級の土器より2000~3000年は古いという。

 揚子江の南100キロに位置する仙人洞からは、1960~90年代に旧石器時代とみられる土器片が見つかっていたが、チームは09年から発掘調査を始め、同洞窟から280点以上の土器破片を見つけた。破片は土器の口縁部などとみられ、厚さ0.7~1.2センチ程度。表面を滑らかに調整したり、筋で文様をつけたりした破片もあった。

 動物の骨の放射性炭素を使った年代測定を行うなどして、土器の出た地層を調べ、その結果、一部の土器は2万年前までさかのぼることが分かった。多くの土器片には料理に使ったような焼け焦げた跡があり、調理に使ったのではないか、と推測されている。

 最古の土器が作られた年代は最終氷河期の最中で、中国で農耕の始まる1万年近く前に当たる。チームは、狩猟採集民が土器を使って食べ物を煮炊きしていたことを示す貴重な発見、としている。

 食糧が少なかったことから、チームは「土器で料理をすれば、澱粉から豊富なエネルギーを得られるし、食糧も貯蔵できる。気候変動が東アジアでの土器の発明につながったのではないか」とも推測している。