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2011年9月2日(金)[日経新聞朝刊] 人間の色覚 天敵察知のため発達? 京大教授が仮説

 人は普通はヘビが嫌いだ。野外で見かけると誰でも避ける。ヘビを素早く認識するのは、どうやらヒトの色覚が関与しているらしい。京大霊長研の正高信男教 授は、こんな仮説を2日付の英科学誌「ネイチャー・サイエンティフィック・リポーツ」に発表した。色覚はサルやヒトなどの霊長類で発達しており、同教授は 天敵を察知するために進化したのではないか、とみている。
 基になった実験は、人間の4~6歳の子ども111人に、画面に表示した8枚の花と1枚のヘビの絵を選ぶまでの時間を計った。写真がカラーだとモノクロに比べて選ぶ時間が短くなった。
 人間が本能的にヘビを恐れる理由は謎だが、同教授は「色覚が重要な役割を果たしているのではないか」と述べている。霊長類はイヌや齧歯類に比べて嗅覚が退化しており、霊長類の色覚が発達したのは、そのハンデを補い、熟した果実を見つけやすくするためと考えられていた。