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2011年8月23日(火)[朝日新聞朝刊] 原人の調理 進化の分かれ目? 1日の食事時間 猿人の43%から6%に大幅減 歯・あごから推定

 190万年前頃に現れたホモ・エレクトスは、人類最初の調理人だったかもしれない――そんな論文を、米ハーバード大のチームが今週の米科学アカデミー紀要(PNAS)に発表する。
 チームは人類初の火の使用者と考えられるホモ・エレクトスなどの化石や過去の記録を分析し、チンパンジーや直立二足歩行を始めたばかりの猿人と比較し た。予想されたようにホモ・エレクトスなどは体の大きさの割に臼歯やあごの大きさが小さかった。食物を焼いたりして「調理」した結果、口に入れやすい大き さの、軟らかい食物を食べていたと考えられる特徴だ。
 チームは1日の活動時間のうち食事に当てていた時間をこの手法で推定。チンパンジーや猿人ではそれぞれ37%、43%と、いつも採食していたと推定される数値となったが、ホモ・エレクトスなどは現在の人類に近い6%前後でかなり短時間となっていた。
 この結果、1日を採食だけでなく、よりヒト的な活動に使う余裕も生まれたと考えられるという。